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食生活や、生活パターンが変遷するとともに病気の様相も変わってくることが少なくありません。
胆のう疾患(病気)もその一つでしょう。
胆のうといえばすぐ胆石症が連想されますが、最近ではこのほか胆のうポリープといわれて、治療を受けた方も身近に増えているのではないでしょうか。
このところ胆のうの病気にたいする治療法も大きく様変わりしています。

 

最近の胆石

いろいろある胆のうの病気でも、やはり一番多いのは胆石症でしょう。胆石は胆道の中で胆汁成分が固まってできたものと理解していいと思います。胆石は、その存在する場所によって胆のう結石、総胆管結石、肝管結石などと呼ばれ(図1)、またその成分によってコレステロール系結石、ビリルビン系結石の2つに大別されます。
肝臓で産生される胆汁を十二指腸に運ぶ総胆管の途中にぶら下がったように存在する胆のうは、一時的に胆汁を濃縮・貯留しておいて、食事をするとそれを排出して腸管での消化・吸収を助ける役目を果たしています。ここにできる胆石の多くはコレステロール系の胆石です。
ただこれまで東洋に比較的多かつたビリルビン系の胆石は、わが国、とくに都市部では少なくなり、かわって胆のう結石は今や85%以上がコレステロール系の結石となってきました。食事をはじめ生活の欧米化の結果といえます。
そして胆石保有者は年々、また加齢とともに増えているのが現状です。

 

 

 

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